君がいて、僕がいる。
「えっ、神谷先輩…っ!?
なんでこんなところに…!」
うーわ、なんか美優超乙女。
いやまぁ、ああいうのがあるから男子から大人気なんだろうけど。
「んー、俺の彼女がこのクラスでいじめられてるっていうから」
お、おい!!そんないい方したら私ってバレバレだし、超私がチクった感!!…間違ってはないんだけど…
「彼女…って、まさか真希…」
「そ。俺の彼女。
だからさぁ、変な勘違いで彼女いじめるの、やめてくんない?」
……勘違い?え、どういうこと…?
「ついでに言えば
彼氏いるのに俺にコクってくるのも、やめてくれない?」
圭介がそう言うと、美優の顔は赤くなった。
「もしくは
……勝手な妄想で人に当たるの、やめたほうがいいよ」
圭介はそういって、私のところへと戻ってきた。
「ただいまー」
……ただいま、って…
この人、どんだけ能天気なの……
おかげで超注目浴びてるって……
「柴崎くん、彼女いないんだってー」
そんな圭介の声がクラス中に広がる。けど
「えっ!?」
私の大きな声も、クラス中に広がった。
だって…美優は柴崎くんの彼女だって、このクラスじゃ有名なんだけど……
「噂が一人歩きしてて好きな子にもフラれるし、最悪ですよ
だってさ。」
「う、噂……?」
「うそだったんじゃん?」
その圭介の声に、美優の友達は美優に向かって「どういうこと!?」なんて問いただし始めるし…
「……なんか、報復が怖いわ」
そんなことをされたら、後々美優が怖くて仕方ないよ。
「大丈夫だよ。彼氏が俺だから」
「いや、意味わかんないんだけど」
「だって俺、怖いって有名だもん」
「・・・はい?怖い?どこが?」
「好きな子には優しいだけ。
……それに、真希は人気者を味方につけてるから」
は?ますます意味わかんない
なんて言おうとしたその時
「こんなとこにいたのか!」
このクラスにまた一人、違うクラスの人が乗り込んでいた。