君がいて、僕がいる。

「うわー、見つかっちゃったよ」

「朝礼サボってんなよ
おかげで俺が探すはめになったじゃねぇか」

「……優斗くんも大変だね」


このクラスにまたも躊躇なく入ってくるのは生徒会長さま。


「ごめんね、真希ちゃん
神谷行くぞ。担任キレるし」

「げ、余計いきたくねぇ」

「連れてかないと俺までキレられるっつーの。
さっさと立つ。」

「仕方ねぇ、行くかぁ」

「最初から来いよ」


……いや、あなた方…人のクラスで何してるんですか…
たいぶ注目浴びてますけど…


「あ、真希ちゃん
昨日流星群見た？」

「あー、うん。なんとか見れたかな」

「なんとか？」

「圭介がわがまま言うから」

「え！わがままじゃないし！俺の願い事だし！」

「……まぁなんでもいいけどさ
見れたならよかったね」

「……うん、教えてくれてありがと。」


あの、そんなことより
早く行った方がいいんじゃないでしょうか…

朝礼、終わっちゃうよ…？


「あ、俺の真希なんだからそんな見るなよー」

「はぁ？」

「そんなことどうでもいいから早く行きなよ。
優斗くん、早く圭介つれてって」

「はは、了解。
神谷行くぞ」

「はいはい。
んじゃ真希、帰り迎えに来るから。勝手に帰らないように！」

「え、帰りもくるの？待ち合わせでよくない？」


全然屋上までいきますけどね、私。


「いーや、俺がくる！だから待ってて」

「はいはい、わかったから早く行きなよ」

「んじゃまた放課後ね」


そう言って、圭介は優斗くんに連れられてやっと教室から出ていった。
ようやくこのクラスにも静寂…とまではいかないけど、落ち着いた時間が戻ってきた。


「ねぇ、原さんって生徒会長と仲いいの？」

「……え？」


原、さん…？
いやそんな普通に呼ばれたのかなり久しぶりなんだけど。


振り返れば普通にクラスメートの女の子が二人。
たしか…池谷由貴さんと、松下世奈さん。

話したこともないけど、普通に明るい印象の二人だった。


「仲､いいのかな…？
わかんないけど…」

「しかも神谷先輩が彼氏なんてすごいね！」

「す、すごい…？」


え、すごい？すごいのか？
よくわかんないけど…すごいのか？


「だって神谷先輩って誰の告白も受けないし、そもそもあんまり人と関わらないから憧れの先輩だもん！」


い、いや…人と関わらないってなんなんだ。
あの人どんだけ狭い世界で生きてんだよ。人には必死に生きろとか言っといて。


「それに、会長だって１年の私たちからしたら高嶺の花だしね！」


・・・高嶺の花、ですか…
いや、絶対みんな勘違いしてる。

あの二人、超普通の人だからね。