君がいて、僕がいる。



あまりにも衝撃的で、私は将希の後を追ってリビングに入った。


「あ、お邪魔してます」


そこには、ソファにちょこんと座り、でも私を見て立ち上がって笑顔で挨拶して会釈までする、とんでもなく可愛い女の子が一人…


「同い年なんだから敬語とか必要ないんじゃね
しかも真希だし」

「同い年!?え、高1!?」

「あ、はい」


わお、なんだけど……
めっちゃ大人っぽい…

まぁ、こんだけ大人っぽくて将希と同い年って方がビビるけど…


「佐脇柚香です。よろしくお願いします」

「あ、原 真希です…
すっごい大人っぽいんですね…タメに見えない…」

「そりゃ真希はガキだからな」

「……そんなガキの弟がどこの誰かな」


そんなこと言う弟の頬を


「い、いひぇぇよ!」


ガキな私は思いっきりツネあげる。


「離せよクソばばぁ」

「クソババァ!?
私がババァならあんたはジジィだからね!」

「少しは黙ってろ」

「こっちのセリフよ」


私たちがそんなくだらない言い合いして、気づいたら彼女さんは可憐にクスクスと笑っていた。


「仲、いいんですね」

「別に仲良くねぇよ」

「手のかかる弟で苦労してるんです」

「こっちのセリフだわ」

「は?私がいつあんたに迷惑かけたのよ」

「この世に存在してること事態が、だろ」

「あんたの方が後から生まれたくせに」


……なんて、私たちはまた言い合いをする。
本当、なんで私たちはこんなんばっかりなんだか…


「お姉さんは、今圭介くんと付き合ってるんですよね?」

「えっ…まぁ…
ってかタメならお姉さんじゃなくて名前でいいよ。真希で。
敬語も必要ないし」

「あっ、…うん。
じゃあ私のことも名前で」

「……将希はなんて呼んでんの?」

「ゆず」

「んなら私もゆずちゃんて呼ぼっと」


私がそういうと、ゆずちゃんは笑顔で「うん」と言った。
……本当、可愛いな。

隣に並ばなくても、私のちんちくりんさがわかるよ



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