君のぬくもりを忘れたい
「げ、元気がないのって私が鈍感って言ったせい?なら、ごめん。」

挨拶をした5秒後
壷林さんから謝られ驚く。

そして、笑いがこみ上げて来た。

「ぷっあはは!!!」

「!?」
壷林さんは驚いた顔で俺を見上げる。

「はー、笑った。違うよ壷林さん!
俺、そんなことで傷つくような豆腐メンタルじゃねーし!」

「えっ!あっそうだよね。
…よかった」

ホッとした様子の壷林さんを見て
胸がキュッとなるのがわかった。

なんて心地のいい優しさなのだろうか。

あったかくなる。

そして

とても


–––––––––––––––––––愛おしい


そう思うと同時に知らず知らずのうちに俺の手が伸びて、壷林さんの髪に触れる。

「こ、河野くん…?」

「心配してくれたの?」

「心配っていうか…いつも元気でうるさいくらいなのに…変だなっていうか…
ごめん、なんか私、友達ぶって。」

友達ぶる か。

(???
俺なんで壷林さんの髪に触ってんの!?)

「え!?あ、ごめん!なんか、無意識に触ってた!!!」
バッと手を放して、顔が赤くなるのがわかった。

「いや、い、いよ。」
壷林さんも赤くなりながら後ずさりをしている。

(…恥ずかしい。何してんだろ)

照れ隠しに頭を大雑把にかいて

俺は、学校に向かってもう一度歩き出した。







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