君のぬくもりを忘れたい
裏側

学校への道

卵焼きあーん♡事件から

二週間ぐらいがたったある日。

私は学校へ歩いていっていた。
学校は、家から遠くも近くもない。
とてもビミョーな距離だ。

暖かい気候で、気持ちよかった。


「あれ?壷林さん…?」

また、聞き覚えがある。

「あ…河野君?」

二週間会っていないわけではないが、話していなかったので余計緊張する。

「おんなじ道だったんだ!」

河野君が私に少し駆け寄る。


とく…


前の私の心臓の音を思い出した。

「こ、こないでっ!!!」
つい、叫んでしまった。

「え…?」
河野君は、驚いたような傷ついたような顔をしている。


しまった…

違う、嫌だったんじゃなくて…

なんか、河野君は––––––––––––


「あったかすぎ…るから!!!!」

「!?」

何言ってんだ、私。

「壷林さん…

(あぁ。絶対ひかれた。)

暑いの????」

「えっ」

「いや。だって、あったかすぎるって言ったじゃん?しかも、顔ちょー赤いよ?」

河野君が少し離れた場所で
私の顔を覗き込む。


「そ、うなの。暑い。」

必死に話を合わせる。これ以上変な子だと思われたくない…


隣の席で、気まずくなるから。


––––––––––––––––––––––だと思う。


「わかった。近づかねぇよ。半径このセンチな!」
河野君は、笑顔でそう言った。


「うん…」


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