羊と虎

「ほんと、可愛くて困ります。頭撫でたくなったり、抱きしめたくなるなんて、今までの私には考えられない行動ですよ」

「ほんとにそれだけ?気持ち悪いとか思わない?」

「誰かに言われたんですか?その人と一緒にしないで下さい!私は今の凱の方が好きです。能面のような顔より、可愛いし、魅力的です!」

「でも、趣味が料理と菓子作りで、裁縫も好きなんて、女の子みたいだよね」

「あーそれ気にしてたんですか?
そんな事言ったら私、掃除も苦手だし、料理も作れないし裁縫なんてしろって言われたら逃げ出すレベルですよ。男の子みたいでしょ」

カラカラと楽しそうに指を折りつつ話す杏奈。

「丁度いい組み合わせですね!料理出来ない私と、料理大好きな凱。家事の苦手な私と、家事の得意な凱。裁縫アレルギーの私と、裁縫大好きな凱!もう相性ばっちりですね!」

とうとう大笑いを始めてしまった杏奈を、初めは凱も驚いた顔をしていたが、途中で同じように笑い出した。

「ホントだね。相性ばっちりだね」
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