羊と虎
「この前だって、甘いもの頼むと私に来るし、大盛のご飯頼んだら凱の方に行くし、二人一緒なら違和感無いですね」
笑いすぎて涙を浮かべる杏奈を見てまた笑う凱。
暫く笑いが絶える事は無かった。
「まぁそんな訳で、これからもよろしくです!
私はもう、隠す事は何も無いですよ」
「僕も無いよ」
「隠し事が無い関係って楽ですよね。あ、熱下がったからって、無理しないで下さいね。
今日は泊まって行って下さい」
「それは出来ないよ。隠し事は無くても、女の子の部屋に男が泊まったら色々ダメだよ」
「?そうですか?友達を泊めるだけなんですが、不味いですかね?」
杏奈の表情に複雑な顔をした凱。
「友達・・・だとしても、良くないでしょ」
「体調悪い人を追い出すなんて出来ません!あ、料理は出来ないですが、近くに美味しいお惣菜の店があるんで買ってきますね!あ、ついでに服も買ってこなきゃ!」
そう言って凱の話をろくに聞かずに家を飛び出して行った。