溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
『これだから恋愛初心者は。……いい? 私たちもう二十八歳なのよ? これから付き合うってことは、なんでも話せる家族になる未来も見据えてじゃないの? 結婚後も迷惑だから……って佐々木になにも話さないつもり?』

「結婚って……! 飛躍しすぎだから!」

まだ好きかもわからないというのに、結婚の話を持ち出した砂羽にギョッとなる。

なのに砂羽は強い口調で畳み掛けてきた。

『飛躍なんてしていないでしょ? 学生じゃないんだから、結婚を意識して当たり前じゃない』

そう言われたって、頷くことなんてできない。結婚だなんて、私にはまだまだ先の話だから。

『それにあんたは自分で気づいていないようだったから、見守ろうと思っていたけど、話を聞く限り、もう佐々木のことを好きになっているようにしか聞こえないんだけど』

「……えっ?」

『私に佐々木の話をする環奈の声色がいつもと違ったし、幸せそうだった。……環奈、好きになるのに時間や理由なんて必要ないんだからね? 私だって旦那さんには一目惚れに近かったし。案外運命の相手ほど、時間は関係ないと思うな』

「砂羽……」

一呼吸置くと、砂羽は穏やかな声で言った。
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