溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
『じゃあ相談してみたら? 私より佐々木の方が、親身になって話を聞いてくれそうじゃない?』

「冗談。……佐々木君には話したくないもの」

『どうして?』

間髪入れず聞いてきた砂羽に、素直な想いを吐露した。

「だってこんな重い話をされたって、迷惑でしょ? 家族の話って特に重いと思わない?」

再会して間もないのに、母親を亡くして父親はあっという間に再婚し、新しくできた家族とは疎遠になっているなんて聞かされても、困らせるだけだと思うから。

そんな思いで砂羽に話したものの、彼女からは違った答えが返ってきた。

『なるほどね。環奈は佐々木に嫌われたくないんだ』

「え、ちょっとどうしてそうなるの? そんなこと、一言も言っていないよね?」

うんうん頷く砂羽に焦りを覚える。

足は止まり、通行人の邪魔にならないよう、歩道の端に移動した。

「それに家族の問題と佐々木君は関係ないし」

ボソッと言うと、砂羽は盛大な溜息を漏らした。
< 148 / 279 >

この作品をシェア

pagetop