溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
向き合う強さ
「お姉ちゃんが淹れてくれた珈琲、美味しい」

「本当? それはよかった」

早速淹れたての珈琲を飲むものの、なかなか自分から切り出せずにいた。すると彩音は「フフフ」と笑った。

「懐かしいなー。昔もよくお姉ちゃん、私のためにココアをいれてくれたよね。ミルクたっぷりで甘くておいしかった」

私も覚えている。お義母さんにいれてと言いづらくて、いつもお義母さんの目を盗んでキッチンで自分で作っていたら、必ずと言っていいほど彩音が来たんだよね。

『私にもちょうだい!』ってせがまれて、よく彩音の分も作っていた。

「よく覚えているね」

私は大きかったけれど、彩音はまだ小さかったのに。

「もちろん覚えているよー。だって私、ずっとお姉ちゃんのことが大好きだもん」

笑顔で『大好き』と言われ、一瞬珈琲を吹き出しそうになってしまった。

「ずっとね、お姉ちゃんって存在に憧れていたの。だからお母さんが再婚してお姉ちゃんができるって聞いた時は本当に嬉しかった!」

「彩音……」
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