溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
そうなのだ、砂羽は今妊娠している。この前、『社会復帰は先になっちゃった』って嬉しそうに報告された時は、思わず泣いてしまった。

だって砂羽がママになるなんて、感動しないわけがない。だからこんなにも早く、出産祝いの下見に訪れていた。

その後、彼が予約してくれたホテルのレストランで食事をした。実は佐々木君と会うのは一ヵ月ぶり。

あの後、なにかと忙しくなり会えても、呼び出されたりしてなかなか一緒の時間を過ごせずにいた。


「今日はありがとう。久しぶりに会えたのに買い物に付き合ってくれて」

「いや、俺も宮田のことはよく知っているし、一緒に選びたかったから。……それにいつか俺たちにも必要なものだろ?」

ホテルのエレベーターの中で肩を抱かれ囁かれた甘い言葉に、心臓が飛び跳ねる。

「今日はなにがあっても帰さないから。……絶対邪魔されないよう、しっかり根回ししてきたし」

旋毛に落とされたキス。

私も今日は佐々木君と離れたくない。朝までずっと一緒にいたい。

エレベーターのドアが開くと、私はみずから彼の腕にしがみついた。
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