溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「環奈……」

初めて名前で呼ばれドキッとしたのも束の間、キスで唇を塞がれた。

最初は下着は大丈夫だよねって心配だったけれど、そんなことさえ気にできなくなる。

「環奈……平気?」

「……ん」

お互い呼吸が乱れたまま、手をギュッと握りしめ何度もキスを交わしていく。

好きな人と身も心も結ばれて、涙が零れ落ちた。

「悪い、辛いか?」

涙を救いながら心配そうに瞳を揺らす佐々木君に、首を横に振った。

「ううん、違うの。……幸せで胸がいっぱいで……」

「環奈……」

佐々木君と両想いになれただけでも幸せだったのに、もっと幸せな気持ちになれるなんて思いもしなかった。

「俺も同じ。……これからもずっとふたりで幸せを感じていこう」

「……うん」

十年先も、二十年先も、その先も佐々木君の隣で幸せを感じていきたい。

ずっとずっと、彼と一緒に――。

彼の背中に腕を回してぬくもりを感じながら、強く強く、そう願った。
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