溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
声を上げた彼にびっくりして手を引っ込めたものの、どうやら起きたわけではないようで、また規則正しい寝息が聞こえてきてホッと胸を撫で下ろした。

よかった、まだもうちょっとこの寝顔を見ていたいもの。

再び彼の頬に触れた時、いつの間にか左手薬指にはめられていた指輪に気づき、目を剥く。

「えっ……なにこれ、えっ!?」

思わず大きな声を上げてしまうと、真太郎が目を覚ました。

「どうした? 環奈」

まだ寝ぼけている真太郎に自分の左手を見せる。

「真太郎、これっ……!」

大粒のダイヤが朝陽に反射してキラキラ輝いている、この指輪はなに!?

彼に詰め寄ると、真太郎は私の左手をギュッと握り自分の方へ引き寄せた。

「気づいた?」

「気づくよ」

意地悪な顔で私を見つめる彼に、唇を尖らせて言うと真太郎は笑みを零した。

「びっくりした?」

「……とっても」

答えると彼はしてやったり顔で私の頬にキスを落とした。

「これは婚約指輪。……結婚指輪はふたりで選びに行こう。その時またちゃんとプロポーズさせて」

「真太郎……」

嬉しくて幸せで涙が零れ落ちた。
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