溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「どうして泣くんだよ」

そう言いながらも彼は優しく涙を拭ってくれる。

「だって嬉しくて……。夢みたい」

彼と付き合い始めてから、結婚を意識するようになった。でもまだ先の話だと思っていたから。

「悪いけど夢じゃないよ。……ふたりで幸せになろう」

「……うん」

笑顔で答えると彼は再び頬や額にキスを落とした後、私の肩を押し仰向けにさせると、そのまま覆い被さってきた。

そのまま唇に甘いキスを落とすと、彼は私の首元に顔を埋めた。

「え、ちょっと真太郎? だめだよ」

朝だしなによりここは真太郎の実家。それなのに彼の行為はエスカレートするばかり。

「大丈夫、環奈が声を出さなければバレないから」

「そんなっ……」

早速弱いところを責められて声が漏れそうになり、慌てて両手で口を覆った。

首筋を這う舌と、撫でられる身体に甘い吐息が漏れる。
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