溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
でも本当に仲が悪いわけではない。仕事面では良いコンビでお互いにないものを補い合っているし、よくふたりで仕事帰りに食事へ行ったり、休日に遊んでいるみたいだから。

つまり傍から見たら痴話喧嘩ってやつだ。付き合ってはいないけれど、付き合っているようなもの。


なんでも言い合えるふたりの関係性は羨ましくもあるけれど、仕事中に毎日のように喧嘩されては、ふたりの指導係である私はたまったものじゃない。

「はい、喧嘩はそこまで! どっちも悪いようだし、お互い奢り合って終わりにしなさい」

割って入り、仲裁をするのはいつも私の仕事だ。

「はーい。……すみませんでした、環奈先輩」

「すみません」

でもこうしてちゃんと謝罪できる素直なふたりだから憎めなくて困る。

「いいえ、わかったら仕事して。やることはたくさんあるんだから」

ふたりの背中を叩くと、さっきまで喧嘩していたのが嘘のように仲良く取材へ出かけていった。

そんなふたりの姿を微笑ましく見送り、私も仕事に取りかかった。
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