主任とルームシェア始めました

「そうなんですか?」

「ええ。
良ければ、今、案内しますよ。
どうぞ。」

そう言って、佐藤さんが立ち上がった。

でも、けいちゃんが帰ってきて、私がいないと心配するだろう。

「すぐに主人も戻ると思いますから、今は
結構です。
お心遣い、ありがとうございます。」

と私がお礼を言うと、

「すぐそこですから、ご主人が戻る前に戻って
来られますよ。
さ、行きましょう!」

そう言って、佐藤さんは、歩き出してしまった。

親切で言ってくれている佐藤さんを無視できなくて、私は慌ててついて行くと、ライトアップされた庭園があった。

「ほんとに落ち着いた雰囲気のお庭ですね。」

と私が声をかけると、

「この先がもっと綺麗なんですよ。」

と佐藤さんはさらに奥へ歩を進める。

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