主任とルームシェア始めました

私は、けいちゃんが戻って来ないか、気になりながらも、1人先を行く佐藤さんを放っておけず、つい追いかけてついていった。

しかし、その先は、照明もない木立に囲まれた薄暗い森のような場所。

「佐藤さん?」

私が声をかけると、佐藤さんは振り返って、私の腕を掴んだ。

「かわいい人ですね。
こんなに人懐っこくて、疑う事を知らない
なんて。」

しまった!
新婚旅行中の男性がこんな事をするとは思ってなかった。

取引先で襲われそうになった時の恐怖が蘇る。

「けいちゃん!
けいちゃん!」

私が声を上げると、佐藤さんの手が口を塞いでくる。

「騒ぐと、ご主人に言いますよ。
新婚の奥さんが、他の男性と暗闇で何をしたか
知ったら、ご主人はどう思うでしょうね。」

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