主任とルームシェア始めました
「その人の女癖の悪さは、私が1番よく
知ってます。
私も最初はナンパでしたから。」
呆れたような奥様の顔を見て、私もけいちゃんも何も言えなかった。
「 結婚すれば、治ると思ってたけど、やっぱり
ムリだったみたいです。
幸い、まだ籍も入れてませんし、これで
終わりにしましょう。」
そう言うと、奥さんはそのまま踵を返して去っていってしまった。
「良子!
待って!」
佐藤さんが呼んでも、奥さんが立ち止まる事はなかった。
けいちゃんは、佐藤さんに向き直って言った。
「遥に何をした!?」
「俺に気がある素振りを見せたから、
かわいがってやろうと思っただけだよ。」
けいちゃんは、私の肩を抱いていた手を離して、佐藤さんの胸ぐらを掴んだ。
「遥がいつお前なんかに気がある素振りを
見せた!?
遥は、そんな事、絶対しない!!」
けいちゃんは手を離すと、佐藤さんをその場に残して、私を連れて、オープンテラスを後にした。