社内恋愛狂想曲
「いや、相手がそれでも別れたくないって言うて一応続いてた。転勤してもしばらくはマメに連絡くれたんやけど……なんか急に連絡がつかんようになって、たまに会いに来てくれてたのがそれもなくなって、自然消滅みたいな感じやったな」

自然消滅ほど残酷な終わり方はないと私は思う。

それが本気で好きな相手ならなおさらだ。

いつまで待てばいいのか、もう終わりなのかもと心のどこかではあきらめながらも、もしかしたら戻って来てくれるんじゃないかと期待してしまうから。

「別れようとか、ハッキリ言われたわけじゃないんだね」

「うん、でも終わった。あんなに私のこと好きやとか別れたくないとかぬかしてたクセに、急にこっちに戻ってきたと思ったらしれっと他の女の話なんかしやがって、あいつホンマ腹立つ……」

「えっ、何それ?!」

自然消滅からのまさかの再会?!

この口ぶりだと、もしかしたら葉月は連絡が途絶えた後もずっとその人のことが好きで待っていたのに、いざ戻ってきたら彼にはすでに別の人がいたっていうことだろうか。

「だからもうええねん。私はシゲと結婚して大阪に帰るし、あんなやつ誰とくっつこうが、私にはもうなんの関係もない」

どうでもいいとか関係ないとか、今の葉月はどう見たってやけになっているとしか思えない。

< 156 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop