社内恋愛狂想曲
いえいえ、知らないどころかたいへんよくご存じなんです!彼が入社してからずっと面倒見てらっしゃるんですよ、あなたの部下ですからね!!

心の中でそう呟いて、相談するならばやっぱり護と付き合っていることを話すべきだろうかと悩む。

でもそれを話すとなると、護が奥田さんと浮気していることも話さなくてはいけない気がするけれど、できれば余計なことは話したくない。

タコの唐揚げを奥歯で噛みしめながら少し考え、やっぱり護と付き合っていることはまだ伏せておくことにして、三島課長と瀧内くんの経験談とか個人的な意見を聞いてみようと決めた。

「男の人ならこう思うんじゃないかって、同性目線の話を聞きたいだけなので……そこは個人的な意見でいいんです」

私が目一杯の見栄を張ってそう言うと、三島課長はあごに手をあてて少し考えるそぶりを見せた後、おもむろにうなずいた。

「うーん……そんなものは人それぞれだろうから、参考になるかどうかはわからないけど……俺と瀧内が答えられることなら」

自分にまで話を振られるとは思っていなかったのか、瀧内くんが初めて表情を変えた。

めんどくさいとか思っているのだろう。

かなり迷惑そうに顔をしかめている。

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