社内恋愛狂想曲
買い物の後、瀧内くんはリビングのソファーに座って、スマホのゲームをしたりテレビを見たりしていたけれど、カレーができあがって火を止めると同時に「9時に荷物が届くから早く帰らなきゃ」と言い出し、できたばかりのカレーを一人で2杯平らげてさっさと帰ってしまった。

それで結局、特に用のない暇な私だけがここに残って、三島課長の帰りを待つことになったのだ。

「あいつまた勝手なことを……!ホントごめんな。佐野は大丈夫だったのか?予定とか時間とか……」

「大丈夫ですよ。それより晩御飯にしませんか?すぐに用意しますね」

食器棚からお皿を二枚取り出してそう言うと、三島課長は少し驚いた様子でネクタイをゆるめる手を止めた。

「佐野はまだ食べてなかったのか?先に食べてくれて良かったのに……」

「私が三島課長と一緒に食べたかったから待ってたんですよ」

「そうか……ありがとな」

お皿にごはんとカレーを盛り付けてカウンターに乗せると、三島課長がそれをテーブルに置いて、嬉しそうに笑った。

料理をテーブルに運ぶとかお礼を言うとか、護はそんなことはしてくれなかったし、私が作った料理を当然のことのように食べるだけだったから、三島課長にとってはきっとなんでもないことなのだろうけど、私にとってはそれがやけに新鮮で、とても嬉しかった。


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