社内恋愛狂想曲
「確かにそうだな……。わかった、運転気を付けろよ」

三島課長はあっさりと車のキーを瀧内くんに渡した。

もしかしたら瀧内くんが突然「車を貸して」と言うことは、三島課長にとってはよくあることなのかな?

「車のお礼に、これもあげます」

そう言って瀧内くんは財布から何やら紙切れを取り出し、三島課長に渡した。

三島課長はそれを見て少し驚いた顔をしている。

「ディナーチケット?」

「この間、そこのモールで買い物したときに福引きで当たったんだけど、僕は行く機会がないから潤さんにあげる。カップルで行くとカップル限定のデザートをつけてくれるんだって。ゆっくり楽しんできてね」

瀧内くんに1日がかりのデートコースを組まれ、私と三島課長は3人に追い出されるような形で見送られて家を出た。

「あいつら、完全に面白がってるな……」

「そのようですね……」

三島課長と一緒に歩くなんて何度もしていることなのに、さすがに今日はいつもと違って、なんとなく照れくさい。

だけどよく考えたら、一番最近デートなんてしたのはいつだっただろう?

護とはもうずいぶん長いことデートなんてしていなかった。

映画に行こうと誘っても、めんどくさそうに「わかった」と言って、一応約束はしたものの、結局急用ができたという理由でドタキャンされた。

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