社内恋愛狂想曲
電車に乗って向かった先は、港に隣接された“シーサイドガーデン”という、オープンしてまだ3年足らずのショッピングモールだった。

今日がよく晴れた土曜日ということもあり、シーサイドガーデンは若いグループやカップルで溢れている。

前から来てみたいと思いながらもその機会がなかったけれど、若いカップルが多いとか、おしゃれな店が多いという噂だけはよく耳にしていた場所だ。

私はここに来たのは初めてだから、見るものすべてが珍しく、楽しくてついキョロキョロしてしまう。

「私、ここに来たの初めてです!いろんなお店があるんですね」

私が人混みの中でキョロキョロしながら興奮気味にそう言うと、三島課長は私の手をギュッと握って引き寄せた。

そのしぐさがやけに男らしいというか、雑誌の特集なんかでよくある“こんな風にされたら女子がキュンとくるシチュエーション”に載っていそうで、私が知っているいつもの三島課長とのギャップに驚く。

「今日はやけに混んでるから、はぐれないように気を付けないとな」

「……気を付けます」

アラサーのいい大人が、周りの様子に気を取られて子どもみたいだったかなと反省しつつ、大人しく三島課長に手を引かれて歩く。

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