社内恋愛狂想曲
「あと、テーピングね。これは持っておいた方がいいんじゃないかな?バレーやるの久しぶりってことだし、指先の保護しといた方がいいかも」

「そうですね。それもいただきます」

もしかしたらあまり使わないかも知れないけれど、備えておいて損はない。

レジで会計をしてもらうと目から星が飛びそうな金額だったけれど、中村さんが安くしてくれたおかげで、定価よりかなりお得に買うことができた。

「うちの嫁も一緒にバレーやってるんだ。女子のメンバーが増えるって言ったら喜ぶよ。仲良くしてやってね」

この歳になると仕事関係以外で人と知り合うことが少なくなるから、職場以外で新しい出会いがあると思うととても新鮮だ。

荷物がかなりの量になったので、帰り際まで預かってもらうことにして店を出た。

三島課長は腕時計を見ながら私の手を取る。

ここまでくると開き直ったのか、手を繋ぐことに三島課長はこの短時間でずいぶん慣れたようだけど、私はまだ慣れないし、やっぱり落ち着かない。

「次はどこに行こうかな……。何か見たいものはある?」

「そうですねぇ……」

瀧内くんからチケットをもらったディナーまでは、まだかなり時間がある。

せっかく海辺に来ているんだから、海を見ながら散歩するのも、デートっぽくていいかも知れない。

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