社内恋愛狂想曲
三島課長はそんな私の様子がおかしかったのか、だんだん口元がゆるんで、しまいには笑い出してしまった。

「……まんまと騙されてバカな女だと思って笑ってるんですか?」

「いや、思ってないよ。ただなんとなく腑に落ちたというか」

「腑に落ちた?」

「居酒屋で友達の話だって言ってたときもやけに神妙な顔をしてたし、彼氏がいるのにどうして俺の婚約者になってくれたんだろうって思ってたから。今の話を聞いて納得がいったよ」

よほど気にしてくれていたのか、三島課長はやけに清々しい顔をして笑っている。

私もずっと胸につかえていたことを話せたので、気がラクになった。

「俺にしかメリットがないのに申し訳ないなと思ってたんだけど……だったら志織も俺を利用すればいいよ」

「利用すればって……」

「彼氏と結婚すると見せかけて、俺と結婚するって言ってやれば?それに親からも結婚を急かされてるんじゃなかったっけ?」

「そうですけど……」

相手がいるなら連れてこいと言われてはいるけど、結婚を考えているなんて言って母に紹介しようものなら、すぐにでも結婚しろと追いたてられるような気がする。

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