社内恋愛狂想曲
三島課長は眉間にシワを寄せてため息をつくと、手に持っていたボールを私に預けてコートの中に入り、モナちゃんの打った強烈なサーブを軽々とレシーブした。

「あんまり同じコースばっかり狙わないで。そんなに立て続けに打ち込まれたら、こっちが打つ間がないから」

静かな口調ではあったけど語気は強めで、いつになく三島課長が苛立っているように見えたのは気のせいだろうか。

こんな風に話す三島課長は初めて見た。

「……すみません」

モナちゃんは少し悔しそうにそう言って、今度はさらに強く別のコースにサーブを叩き込んだ。

戻ってきた三島課長は私からボールを受け取って、いつものようにやわらかな笑みを浮かべる。

「これで大丈夫だから、どんどん打っていいよ」

「はい……」

気を取り直してサーブを打ったけれど、ボールはまた思い通りに飛ばなかった。

一体何がいけないんだろう?

首をかしげながら腕を振り下ろしてフォームを確認していると、三島課長が私の右の手首をつかんで後ろに引き下げ、反対の手でひじを上に向ける。

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