社内恋愛狂想曲
三島課長は「俺のことを彼氏だって言っとけば?」と言っていたけれど、本当にそれでいいんだろうか。

とりあえずそう言えば一時的にでも母の催促から逃れられると思ったけれど、あのせっかちな母のことだから、早い段階で、式はどうするのとか入籍はいつだとか言い出しかねない。

母が本格的に娘の結婚に乗り気になったところで、今までの話は全部嘘でした!とは言いづらい。

そもそも私は婚約者のふりを頼まれただけで、三島課長には好きな人がいるんだから、「後戻りできなくなったから私と結婚してください」とも言えない。

私がしばらく何も答えられないでいると、しびれを切らした母が『まさか……』と呟く。

『何も答えないってことは……親に言えないような相手?もしかしてあなた、妻子ある人と付き合ってるの?』

「違うから!断じてそれはない!」

どうして私まで不倫しなくちゃいけないんだ!!

三島課長は正真正銘独身だけど、本当の彼氏じゃない。

……それだけだ。

『あの人と付き合ってるのかと思ったんだけど……そうじゃないならお見合いしなさい。相手は何人か見繕ってあるから』

「えっ、もうお見合い相手選んでるの?!」

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