社内恋愛狂想曲
たったの一日なのに、いろいろありすぎて今日はとても長かった気がする。

お湯に浸かりながら今日の出来事を振り返ると、三島課長の甘い言葉まで思い出してしまった。

……“俺の隣にいて”とか、言うんだな。

“朝は志織の作った味噌汁が飲みたい”とか、“俺はやっぱり彼女を選ぶよ”とか言われたら、本当に私の婚約者なんじゃないかと妙な錯覚を起こしてしまいそうだ。

そういえば三島課長は、好きな人が自分を好きになってくれるのをもう悠長に待っていられないから、もっと相手の方から好きだと言わせる努力をした上で待つとか言っていた。

きっと私の知らないところでは好きな人に対しても私に言ったのと同じように……いや、演技であれなら、本物の彼女にはもっと甘いのかも知れない。

そんなことを考えながら、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かった。

お風呂から上がっても上気した肌からは入浴剤のいい香りがして、なんとなくよく眠れそうな気がする。

ついでに念入りにスキンケアをして部屋に戻ると、スマホのランプが点滅していた。

画面を開いて確認すると1時間ほど前に三島課長からの着信履歴が残っていて、トークのメッセージも届いていた。

【今日はお疲れ様。面倒なことに巻き込んで、イヤな思いさせてごめん。次の練習は水曜日です。勝手なお願いだけど、今日のことで気を悪くして辞めたりしないで、できればこれからも続けて欲しい】

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