社内恋愛狂想曲
三島課長は私がモナちゃんにいろいろ言われたことを気にして電話をくれたのだと思う。

私がお風呂に入った直後で電話に出られなかったから、メッセージを送ってくれたのだろう。

本当に誰に対しても気遣いのできる優しい人だ。

だけど彼女の立場なら、これだけ優しいと無自覚でたくさんの女性に気を持たせているんじゃないかと、少し心配になるかも知れない。

かつての葉月の気苦労がなんとなくわかる気がする。

電話した方がいいかなと思ったけれど、時刻はもう11時になろうとしている。

もう寝ているかも知れないし、こんな遅い時間に電話して迷惑になるといけないから、メッセージの返信だけしておこうかと文字を入力しかけたとき、画面に着信表示が映った。

こんな時間に誰だろうと思ったら、発信者は護だった。

無視してしまおうかと思ったけれど、一度切れてもまたすぐに電話がかかってきて、着信音はいつまでも鳴り響く。

仕方がないので用件だけ聞いて手短に済ませることにした。

「……もしもし」

電話に出た私の声は、いつもより自然と低めのトーンになった。

< 408 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop