社内恋愛狂想曲
片付けと戸締まりをして外に出ると、家の前で一人の女性がインターホンのボタンを押そうとしていた。

こんな遅い時間に何の用だろうと思っていると、その女性も私たちの姿に気付き会釈をした。

歳は私より少し上だろうか。

大きな目と泣きぼくろが印象的な、かなりの美人だ。

「あのー……ここって、三島潤さんのお宅ですよね?」

「そうですけど……本人はまだ帰ってませんよ。今日はもう少し遅くなると思います」

伊藤くんがそう言うと、その女性は少しがっかりした様子だった。

「そうですか……でしたらまた日を改めます」

女性が去っていくと、伊藤くんと瀧内くんが顔を見合わせる。

「誰だろ?名前くらい聞いておくべきだったかな?」

「日を改めるって言ってたから、別にいいんじゃない?」

こんな遅い時間に訪ねてくるなんて、よほどの用があったんじゃないかとは思うけれど、本人のいないところで、あまり個人的なことに踏み込むべきではない。

瀧内くんの言うように、大事な用ならまた訪ねてくるだろう。

ただほんの少し、さっきの女性が三島課長とどういう関係なのかが気になった。

そんなこと、私が気にする必要などないのだけれど。


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