社内恋愛狂想曲
「いい考えやと思ったんやけどなぁ……。瀧内がそこまでイヤなんやったら無理かぁ」

葉月がその提案を取り下げると、心底ホッとしたのか瀧内くんの表情が幾分か和らいだ。

瀧内くんでもこんなに感情が顔に出ることがあるとは知らなかった。

とても珍しいものを見た気がする。

「せやったら……志織と瀧内が付き合うっていうのはどうやろう?」

「は……?」

葉月の唐突な言葉に耳を疑い、私と瀧内くんは一瞬お互いの顔を見合わせた後、一斉に葉月の方を見た。

「どうして僕と佐野主任が……」

「そうだよ、葉月!それはちょっと……」

「橋口は志織と結婚したいって言いながら奥田にのめり込んでるわけやろ?志織が橋口を捨てて、瀧内が奥田を振って、そんで二人が付き合ったら更にダメージ大きいと思わへんか?」

いやいや、ちょっと待て。

私と瀧内くんが付き合うなんて……控えめに言って、かなり不自然だと思う。

瀧内くんも私と同じように、納得いかないと言いたそうな顔をしている。

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