社内恋愛狂想曲
まったくの想定外のカミングアウトに度肝を抜かれ、私と葉月は瀧内くんと奥田さんを交互に指さして、口をパクパクさせてしまう。

護に至っては顔面蒼白だ。

そりゃそうだろう、ついさっき奥田さんのことを本人の目の前であんな風に言ったところなのだから。

「あれ……?ということは、瀧内くんって……」

「僕ですか?僕は会長の長男の息子ですよ。会長の佐野伊織は、僕の祖母です」

「えーっ?!」

瀧内くんが会長の孫ということは、母親が瀧内くんの父親の姉だという伊藤くんも三島課長も会長の孫?

そして奥田さんが瀧内くんの腹違いの妹?

あまりに衝撃的な事実に驚きすぎて、もうわけがわからない。

葉月に至っては、婚約者が会長の孫だということが信じられないようで、ポカンと口を開けて伊藤くんを指さしている。

伊藤くんは「ほらな、こういう反応になるだろう」と苦笑いを浮かべた。

なるほど、伊藤くんが会長の孫という立場を隠した上でプロポーズしたのは、葉月に色眼鏡で見てほしくなかったからなんだと思う。

葉月は“会長の孫”という素性は関係なく、伊藤くんのことが好きだから結婚したいと思ったと、そういうことだ。
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