社内恋愛狂想曲
「なんや、えらい大きいため息やな」

葉月が笑いながら私の肩を軽く叩いた。

ヤバイ、葉月の幸せオーラが半端ない。

「あー……あやかりたい……」

思わずそう呟いてしがみつくと、葉月は怪訝な顔をして首をかしげた。

心の中で、“こいつ何言うてんねん?”とでも思っているんだろう。

「あやかりたいって……私は神さんでもパワースポットでもないで」

「いいの、ちょっとだけ充電させて」

「よっしゃ、なんやようわからんけど任しとき!」

葉月は私の背中に手をあてて、「オリャー!」と言って念を送る真似をした。

さすがノリのいい関西人、ネガティブまっしぐらの私の心もなんだか妙に救われる。

「ほんで……なんかあったんか?」

葉月は私の肩に手を回して、落ち着いた口調で尋ねる。

「うん……」

「それは私にも話せること?」

話せば少しはラクになれるだろうかと思ったけれど、伊藤くんや瀧内くんを経由して三島課長本人に伝わったりはしないかと考える。

「……伊藤くんにも誰にも言わない?」

「当たり前やん、女同士の話は男には話さん。もちろん他の女にもな」

葉月はそう言ってくれたけど、私だけでなく葉月にとっても同僚として長い付き合いの三島課長のことを好きになってしまったと打ち明けるのは、やっぱり照れくさい。

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