社内恋愛狂想曲
三島課長と顔を合わせる心の準備ができていなかった私は、口に入れたばかりのパスタをろくに噛みもせずにうっかり飲み込もうとしてしまい、喉に詰まらせそうになってしまう。

涙目になりながら慌ててお茶を口に含み、パスタを喉の奥に流し込むと、三島課長は少し心配そうに私の顔を見た。

「ごめん……驚かせたかな?大丈夫か?」

「だ……大丈夫です……」

私が答えると、三島課長は空いていた隣の席に座る。

どうしてプリンだけ持って隣に来るんだろう?

「これから食事ですか?」

「いや、もう済んだ。俺が食券買うときに、偶然プリンの食券を売り出したから買ってみたんだけど……」

大方、プリンを買えなかった女子社員たちの羨む目とかおねだりから逃れようと、隅の方の席に避難して来たんだろう。

「そうですか……。それはラッキーでしたね……」

パスタセットのサラダをつつきながらうつむいて答えると、三島課長は私のトレイの上のナポリタンを見て首をかしげた。

「昨日もパスタだったのに今日もまたパスタ?よっぽどパスタが好きなんだな」

……そうだった。

三島課長との間ではそういうことになっていたんだった。

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