社内恋愛狂想曲
その後、順調に交際を続けていたように見えたのに、ある日突然彼女が上司と結婚したと聞かされ、三島課長が落ち込み女性不信に陥る姿をすぐ近くで見ていて、何もできない自分が歯痒くてつらかったと瀧内くんは言った。

……ということは、前に瀧内くんの言っていた三島課長の忘れられない人って、下坂課長補佐のことなんだ。

「その人が下坂課長補佐だったの……?でもすごく仲良さそうだし、とてもそんなことがあったようには見えないけど……」

「潤さんも大人ですから、仕事中は割りきってるんじゃないんですか?」

瀧内くんはそう言うけれど、三島課長は下坂課長補佐に触れても触れられても大丈夫そうだった。

ひどいときは過呼吸を起こしてしまうほどに、好きじゃない女性に触られることが苦手なのであれば、自分を裏切って他の人と結婚した下坂課長補佐に対して、なんらかの拒絶反応があってもおかしくないはずだ。

そんな様子もなく平気で体に触らせているということは、三島課長がずっと想い続けている人は下坂課長補佐なのだと思った。

朝から衝撃的な話を聞いてしまったせいで、一日中思うように仕事がはかどらなかった。

それでもなんとか若手の教育に加えて通常の業務をこなし、定時までにさばけなかった仕事は残業して片付けた。

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