社内恋愛狂想曲
自販機コーナーでコーヒーを買ってオフィスに戻ると、奥田さんが私の隣に来て不在連絡票を差し出した。

つい先ほど、工場から私あてに電話があったらしい。

「ありがとう」

コーヒーを飲みながら内容を確認して、デスクの上の電話に手を伸ばす。

「佐野主任は有田課長と付き合ってるんですか?」

奥田さんは声を潜めて私に尋ねた。

あまりにも唐突すぎて、危うくコーヒーを吹き出しそうになる。

「えっ、なんで?!付き合ってないよ!」

「ふーん……?そうですか……」

奥田さんは首をかしげながら自分の席に戻った。

確かに業務上は接点が多いけれど、どこでどう解釈すれば私と有田課長が付き合っていると勘違いするんだろう?


定時を過ぎた後は、明日に備えてひとつでも多く仕事を片付けておくために残業した。

若手の仕事内容にチェックを入れたり、定時間際に頼まれたデータ入力などをしていると、あっという間に時間が過ぎた。

仕事が一段落ついたところで時計を見ると、もうすぐ8時になるところだった。

オフィスには私と有田課長しか残っていない。

「佐野主任、まだかかりそう?」

「いえ、そろそろ帰ろうかと」

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