社内恋愛狂想曲
三島課長はわけもなく人を嫌ったりはしないし、人の好き嫌いがハッキリしている瀧内くんと違って、誰に対しても分け隔てなく優しい。

そんなところが好きでもあり、罪作りな人だとも思う。

「そんなことはないと思いますよ。三島課長は超絶いい人なので」

「超絶いい人?」

「いい人過ぎて、たまに後光が見えます」

「あー……なるほど、そんな感じだ。だからなかなか結婚できないんだろうなぁ」

有田課長が意外なことを言うので、それはどういう意味なのかと尋ねた。

「いい人過ぎるから、相手のことばっかり考えて身動き取れないんじゃないかなって。俺だったら好きな相手に彼氏がいようがガンガン攻めるけど、三島課長は相手の幸せを壊さないように見守っていそうな感じがする」

「あぁ……。なんとなくわかります」

有田課長はただ調子がいいだけでなく、人を見る目があるらしい。

まさしくその通りだと思う。

三島課長は自分のことを、“いつもタイミングが悪い”と言っていた。

確かにそうだ。

下坂課長補佐がもう少しだけ早く異動になっていたら、私を偽婚約者に仕立て上げる必要などなかったのに。

そうすれば私が三島課長を好きになることはなかっただろうか?

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