社内恋愛狂想曲
「お騒がせしてすみません。うちの課長、この通り調子がいいもんで。それでは失礼します」

有田課長の背中を押して、強引に牛丼屋の方に向けながら三島課長と下坂課長補佐に頭を下げた。

これで見たくないものを見なくて済む。

三島課長が下坂課長補佐を好きなのも、二人が付き合っているのも私にはどうしようもないことだけど、二人で幸せそうに笑うのは、せめて私の見ていないところでして欲しい。

そう思いながらも、私の心は三島課長のそばにいる下坂課長補佐に対する嫉妬でいっぱいだった。


牛丼屋で夕食をごちそうになって店を出ると、有田課長はお腹をさすりながら首をかしげた。

「三島課長、体調でも悪いのかなぁ……」

私は思わぬタイミングで三島課長の名前が出てきたことにドキッとしながら有田課長を見上げる。

「どうしてですか?」

「いやー……。三島課長っていつもニコニコしてるイメージあるだろ?でもさっきはずっと眉間にシワが寄ってた。顔色も悪かったし」

「そうですか?それは気付きませんでしたけど……忙しくて疲れてらっしゃるのかも知れませんね」

「そうなのかなぁ……。もしかして俺、ひそかに嫌われてる?」

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