社内恋愛狂想曲
オーバーワークになって体を壊さないか心配だけど、その辺は下坂課長補佐がケアしてくれるのだろう。

そう思うのだけど、三島課長の体調がどうしても気になってしまう。

「瀧内くん、三島課長は体調が悪いなんてことはないよね?」

私がおにぎりをかごの中に入れながら尋ねると、瀧内くんは顔をしかめた。

「仮にも婚約者なんだから自分で確かめたらどうです?それにこの間も気になってたんですけど、名前で呼ぶのやめたんですか?」

さすがいとこ同士。

この間、三島課長も同じことを聞いたな。

そういえば三島課長との偽婚約を解消したことを、瀧内くんにはまだ話していない。

元はといえば私を三島課長の偽婚約者に仕立て上げたのは瀧内くんなのだから、やはり報告くらいはしておくべきだろうか。

「その件に関してはね……私の役目は終わったみたいだから、解消したの」

瀧内くんは私のかごにサラダチキンを入れかけて手を止める。

「役目は終わったって……どういう意味です?」

「本物が現れたんだから、偽者はもう必要ないでしょ?」

自分でそう言いながら、また胸の奥がしめつけられるような痛みを覚えた。

瀧内くんは眉を寄せて首をかしげている。

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