社内恋愛狂想曲
「いいですよ。じゃあ明日の朝飲めるように、作ってから帰ります。キッチンお借りしますね」

ソファーから立ち上がってキッチンに向かおうとすると、三島課長はソファーに座ったまま両腕を伸ばし、背後から私の腰の辺りを抱きしめた。

「そうじゃなくて……今夜は帰らないでここにいて欲しい」

酔いが醒めたとはいえ、まだ体調が優れないから、さっきのタクシーの中にいたときみたいに甘えてるのかな?

「まだ気分悪いですか?それなら今夜はそばについている方が安心ですかね」

「いや、気分は悪くないけど……志織の作った味噌汁、毎朝飲みたい」

前もそんなことを言っていたけれど、私はここに住んでいるわけではないから、たまにならまだしも、味噌汁を作るために毎朝通うのは無理がある。

「えーっと……味噌汁のために毎朝通うのは、正直言って厳しいです。私の家、遠いので」

「だからそうじゃなくて……はぁ、やっぱりこんなんじゃ伝わらないか……」

三島課長はまた大きなため息をついた。

えっ、なんでそこでため息?

一体何が伝わらないって?!

少なくとも毎朝飲みたいくらいのレベルで私の作った味噌汁が好きだということは伝わったんだけど。

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