社内恋愛狂想曲
しかし何がきっかけで潤さんはそんなに私のことを好きになってくれたんだろう?

潤さんは女性が苦手で他の人は受け付けないのに、どうして私だけは別だったのか?

そこがとても気になるけれど、自分からそれを聞くのは少し照れくさいような気もする。

これからずっと一緒にいるんだし、いつかそのうち聞けるといいなと思いながら潤さんの胸に頬をすり寄せた。

「んー……志織……」

今の頬ずりで起きたのかと思ったら、潤さんはまだ眠っていて、眠ったまま私の肩を抱き寄せる。

眠っていても私の名前を呼んで抱きしめてくれるなんて、これを幸せと言わずして何と言おうか。

「潤さん、起きて」

そっと体を揺すると潤さんはほんの少し眉を動かしたけれど、起きる気配がない。

「起きないとキスしちゃうぞ」

少しふざけて瀧内くんに教えられた言葉を言ってみると、潤さんは軽く唇を突きだした。

……なんだ、起きてるじゃないか。

眠り姫さながらに目覚めのキス待ちで、眠ったふりを決め込んでいるようだ。

笑いをこらえながら唇に軽くキスをしてみたけれど、潤さんはまだ起きてくれない。

「あれ?起きないな……」

もう一度軽く口付けると、潤さんは私の体を思いきり抱きしめて、何度も短いキスをした。

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