社内恋愛狂想曲
とはいえ私も潤さんのその優しさに惹かれた一人だし、大人なのだから“これからは私以外の人には優しくしないで!”なんてことは言わない。

私しか知らない潤さんの甘さとか男の色気を他の人に見せずにいてくれたら、それでいいと思う。

「もう食べ終わった?」

「はい」

潤さんはレジ袋にまとめた二人分のサンドイッチの包みと空き缶を手に車を降り、店の前のゴミ箱に捨ててから、新しい缶コーヒーを2本買って戻ってきた。

本当に細やかな気遣いができる人だと思う。

こういうところは営業部の先輩だった頃からずっと変わらないから、結婚してもお互いに支え合って生活していけそうな安心感がある。

「そろそろ出発しても大丈夫かな」

「大丈夫です」

車を少し走らせたところで、潤さんはさっきの話の続きをし始めた。

「部長と野田課長も一緒に食事をしたあとのことだけど……3人とも食事しながらそれなりの量のワインを飲んでちょっと酔ってたから、飲んでなかった俺が車で送ることになった」

なるほど、下坂課長補佐だけを送ったわけではなかったようだ。

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