社内恋愛狂想曲
「仕事にしても近所付き合いにしても、もちろん恋愛するにも人間関係を作るにはまず相手を知ることは必要でしょ?結婚なんかなおさらよ。相手だけじゃなくてその身内とも付き合っていかなきゃいけないんだから」

母の言うことはもっともだと思う。

昔は言葉の裏側や会話の間が読み取れず、他人との人間関係を作るのが苦手だった。

だけど成長と共に、相手の気持ちや、今置かれている状況などを考えることの大切さを学び、たくさんではないけれど私のことを理解して受け入れてくれる友人ができた。

今までの恋愛を振り返ると、私は付き合ってきた人のことを知る努力をあまりしていなかった気がする。

私を利用しようとしていた護は別として、誰とも長続きしなかったのはそのせいかも知れない。

私は潤さんのことをどれくらい知っているだろう?

会社の先輩や上司として見てきた以外の、一人の男性としてのありのままの潤さんを、もっと知りたいと今は思う。

「仕事休んでる間はどうせ暇なんだから、一度目を通しておきなさい。志織が持ってる“大企業の社長”の先入観が覆るかもよ」

「ありがとう……」

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