社内恋愛狂想曲
「それは笑いを取るのが狙いってこと……?」

「それだけちゃうけどな。とりあえず絶対に忘れへん日がええやろ?」

「うん、まぁ……忘れなさそうだけどね……」

結婚でまで笑いを取ろうと葉月が本気で思っているのかはわからないけど、一応意味はあるらしい。

「結婚式の場所とか日取りとかはもう決まってる?」

「時期は3月下旬だな。もう少ししたら招待状出すから、詳しい場所はそれで確認して」

「わぁ……楽しみ……」

伊藤くんと葉月は、私が思っていた以上に着々と結婚へ向けての準備を進めているようだ。

今のところ、冷やかすところなんてひとつも見つからない。

何か冷やかすネタはないかと考えていると、ずっと黙って前を向いて運転していた瀧内くんが、信号待ちで車を止めて少し後ろを振り返った。

「志織さんはいつ頃結婚するんですか?」

「えっ、私?」

突然私に話の矛先が向いたので、少し慌ててしまった。

「私はまだなんにも決まってないよ。具体的なことは何も話してないから、これからふたりで相談する。とりあえず潤さんの怪我が治ったら、潤さんのご両親に改めて挨拶に行くつもり」

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