社内恋愛狂想曲
信号が青になり、瀧内くんはゆっくりと車を発進させた。

「ああ、でも……やっぱり急いだ方がいいんじゃないですか?体力のあるうちがいいでしょ?」

潤さんのご両親への挨拶になぜ体力?

体力がいるほどハードな挨拶ってなんだ?

瀧内くんの言っていることはさっぱり意味がわからない。

「ん?なんで?どういうこと?」

首をかしげながら尋ねると、瀧内くんはハンドルを握りながら答える。

「だってほら、早く結婚しないと……できるだけ早く欲しいでしょ?」

「欲しいって何が……あっ」

瀧内くんの言葉の意味がわかると、私の体温が急激に上がった。

それはまさか、今朝の私と潤さんの会話では……?!

「瀧内くん、もしかして……」

「少なくとも3人ですもんね」

瀧内くんの口元が思いきりゆるんでいる。

きっと思い出し笑いだ……!

バカみたいに恥ずかしい会話をして、バカみたいにキスしてイチャイチャしていたところを、たぶん最初から全部見られてたに違いない。

恥ずかしさをこらえていると、伊藤くんと葉月までニヤニヤし始めた。

< 847 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop