社内恋愛狂想曲
潤さんにとっても、もちろん私にとっても、どちらも人生が一変するような大事なことなのに、それはいくらなんでも性急過ぎる。
しかし結婚のことはともかく、まだ結婚していない今の段階で会社の後継問題にまで口出しをしていいのかと考えていると、話を聞きながら黙ってお茶をすすっていた父が、静かに湯飲みをテーブルの上に置いた。
「イチ、君は昔から事を急ぎすぎる。君の決断力と行動力は素晴らしいと思うけど、もう少しじっくりと腰を据えて待つことも覚えた方がいい。いくら親子でもそれは横暴ってものだよ」
口調はとても穏やかではあったけれど、父のその言葉の中には優しさと厳しさがあった。
父はまた教え子を諭すような口ぶりで潤さんのお父さんをたしなめる。
「潤くんは今の会社でここまで頑張って、自分の力で若くして課長という役職に就いた有能な人材なんだ。もし君の会社で活躍している有能な社員が突然退職すると言ったら、君の会社にとって大変な損失だろう?それは潤くんの会社にとっても同じことが言えるんだよ。わかるだろう?」
「もちろんわかるさ。しかし悠長に待っている間に、潤の気が変わってしまわないとも限らないじゃないか」
「君が心配するのもわかるけど、それなら大丈夫だと思うよ。潤くんは潤くん自身の意志で君の後を継ぐと決めたんだから、信じてあげたらどうだい?」
しかし結婚のことはともかく、まだ結婚していない今の段階で会社の後継問題にまで口出しをしていいのかと考えていると、話を聞きながら黙ってお茶をすすっていた父が、静かに湯飲みをテーブルの上に置いた。
「イチ、君は昔から事を急ぎすぎる。君の決断力と行動力は素晴らしいと思うけど、もう少しじっくりと腰を据えて待つことも覚えた方がいい。いくら親子でもそれは横暴ってものだよ」
口調はとても穏やかではあったけれど、父のその言葉の中には優しさと厳しさがあった。
父はまた教え子を諭すような口ぶりで潤さんのお父さんをたしなめる。
「潤くんは今の会社でここまで頑張って、自分の力で若くして課長という役職に就いた有能な人材なんだ。もし君の会社で活躍している有能な社員が突然退職すると言ったら、君の会社にとって大変な損失だろう?それは潤くんの会社にとっても同じことが言えるんだよ。わかるだろう?」
「もちろんわかるさ。しかし悠長に待っている間に、潤の気が変わってしまわないとも限らないじゃないか」
「君が心配するのもわかるけど、それなら大丈夫だと思うよ。潤くんは潤くん自身の意志で君の後を継ぐと決めたんだから、信じてあげたらどうだい?」