社内恋愛狂想曲
会社を出て近くの居酒屋に足を運ぶと奥の方のテーブル席に案内され、チューハイといくつかの料理を注文した。
とりあえず乾杯をして、仕事の話をしながらお通しの枝豆をあてにチューハイを飲んだ。
今日営業部であった葉月と護との何気ないやり取りの話を聞いているうちに、護はなに食わぬ顔で仕事をしながら裏ではあんなことをしているのだと、また言い様もない嫌悪感と苛立ちが込み上げてくる。
そして注文した料理が運ばれてくると、これでもかと言わんばかりにガツガツ頬張って、苛立ちと一緒にチューハイで一気に流し込んだ。
すごい勢いで食べてジョッキのチューハイをグイグイ煽る私を、葉月は不思議そうに見ている。
「なぁ志織……なんか荒れてへん?飲みたい気分とか言うてたし……」
「うん……ちょっと……っていうかかなり」
「仕事のことか?」
私が首を横に振ると、葉月は少し首をかしげてから「ああ」と呟いた。
「じゃあ彼氏のこと?」
「うん……」
社内恋愛は禁止されていないけれど、あまりいい顔をしない人やプライベートを根掘り葉掘り聞きたがる人もいるので、仕事に支障をきたすことを避けるため、私たちは付き合っていることを公にはしていない。
そんな中で葉月は、私が護と付き合っていることを打ち明けた社内で唯一の人間だ。
とりあえず乾杯をして、仕事の話をしながらお通しの枝豆をあてにチューハイを飲んだ。
今日営業部であった葉月と護との何気ないやり取りの話を聞いているうちに、護はなに食わぬ顔で仕事をしながら裏ではあんなことをしているのだと、また言い様もない嫌悪感と苛立ちが込み上げてくる。
そして注文した料理が運ばれてくると、これでもかと言わんばかりにガツガツ頬張って、苛立ちと一緒にチューハイで一気に流し込んだ。
すごい勢いで食べてジョッキのチューハイをグイグイ煽る私を、葉月は不思議そうに見ている。
「なぁ志織……なんか荒れてへん?飲みたい気分とか言うてたし……」
「うん……ちょっと……っていうかかなり」
「仕事のことか?」
私が首を横に振ると、葉月は少し首をかしげてから「ああ」と呟いた。
「じゃあ彼氏のこと?」
「うん……」
社内恋愛は禁止されていないけれど、あまりいい顔をしない人やプライベートを根掘り葉掘り聞きたがる人もいるので、仕事に支障をきたすことを避けるため、私たちは付き合っていることを公にはしていない。
そんな中で葉月は、私が護と付き合っていることを打ち明けた社内で唯一の人間だ。