社内恋愛狂想曲
奥田さんとフルーツパーラーでお茶をした帰りに駅で会って、私が落とした切符を瀧内くんが拾ってくれたことを思い出した。
確か私、あのとき“チョロい”って言われたっけ。
「玲司は就職を機に一人暮らしを始めたんですが、わたくしはその部屋に一度も行ったことがないんです」
「えっ、一度もですか?」
「用があるときは外で会いますので、部屋に行く必要がないんです。お互いのプライベートには立ち入らないことになっているので、玲司が中学生になった頃から、わたくしは玲司の部屋に入ったことがありません」
瀧内くんらしいとは思うけど、親子でそこまで線引きしなくてもいいんじゃないか……?
「きっと母親のわたくしより、潤くんの方が玲司のことをよく知っていますね」
ゆう子さんが少し寂しそうにそう言うと、潤さんは「うーん」と小さくうなって首をかしげた。
「そうでもないですよ。俺も玲司の部屋には行ったことがないし、基本的に玲司は自分のことを話さないから。だけどこちらのことはなんでも見透かして先回りするんですよね。何を考えてるのかよくわからないっていうのが本音かな」
確かに瀧内くんはいつもはクールな表情を崩さず、何を考えているのかよくわからないと私も思う。
確か私、あのとき“チョロい”って言われたっけ。
「玲司は就職を機に一人暮らしを始めたんですが、わたくしはその部屋に一度も行ったことがないんです」
「えっ、一度もですか?」
「用があるときは外で会いますので、部屋に行く必要がないんです。お互いのプライベートには立ち入らないことになっているので、玲司が中学生になった頃から、わたくしは玲司の部屋に入ったことがありません」
瀧内くんらしいとは思うけど、親子でそこまで線引きしなくてもいいんじゃないか……?
「きっと母親のわたくしより、潤くんの方が玲司のことをよく知っていますね」
ゆう子さんが少し寂しそうにそう言うと、潤さんは「うーん」と小さくうなって首をかしげた。
「そうでもないですよ。俺も玲司の部屋には行ったことがないし、基本的に玲司は自分のことを話さないから。だけどこちらのことはなんでも見透かして先回りするんですよね。何を考えてるのかよくわからないっていうのが本音かな」
確かに瀧内くんはいつもはクールな表情を崩さず、何を考えているのかよくわからないと私も思う。