社内恋愛狂想曲
「うん、わかった。抜けてなくさないように気を付けないとね」

こんな大事なものをなくしてしまったら大変だ。

絶対に落とさないように気を付けなければ。

本音を言うと、潤さんから初めてもらった指輪はきっと特別だと思うから、ずっと左手の薬指につけておきたい。

だけど結婚指輪をするまでとなると、左手の薬指にこの指輪をつけていられる期間は短そうだ。

「ちなみに結婚してもその指輪をどうしても左手の薬指につけておきたいのでしたら、結婚指輪の上に重ねづけすると、指から抜けるのを防ぐことができます」

「なるほど……そんなつけ方もあるんですね……。参考にします……」

もしかしてゆう子さんには、私の考えていることもお見通しなんだろうか?

やっぱりゆう子さんは間違いなく瀧内くんのお母さんだと、妙に納得してしまった。

「ところで……そろそろお昼ですけど、お二人ともお腹が空いてませんか?」

そう言われてみるとお腹が空いたなと思いながら車の時計を見ると、時刻はちょうど12時だった。

こんなところまで正確だと思わず笑いそうになる。

「空いてます。どこかで昼食にしますか?」

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