社内恋愛狂想曲
いつの間に二人はこんなに仲良くなったんだろう?

母親というのは対人スキルも高いんだろうか。

ゆう子さんは大事そうに紙袋を抱えて小走りで私たちの方へ近付いてくる。

「お待たせしました。それでは参りましょう」

車が出発したあともゆう子さんが母に言っていた“例の……”というのはなんだったのかがとても気になった。

「ゆう子さん、志織のお母さんとずいぶん仲良くなったんですね」

潤さんが何気なく尋ねると、ゆう子さんは前を向いてハンドルを握りながら、楽しそうに笑ってうなずいた。

「ええ、昨日電話でお話ししたときにすっかり盛り上がってしまって。とても素敵な方ですよ」

素敵な……?どの辺が?

私の母はせっかちで口が達者で大雑把で、どう考えてもゆう子さんのような育ちのいい人に“素敵な方”と言われるほど上品な奥様ではない。

それにゆう子さんと盛り上がるような共通の趣味とか話題があったんだろうか?

気になる……ものすごく気になる……。

「へぇ……。どんな話で盛り上がったんです?」

< 953 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop